現代野球のセイバーメトリクスやトラックマンデータを用いても、マルティネスの攻略糸口を見つけるのは極めて困難だ。彼のストレートはホップ成分が非常に高く、打者の体感速度は表示球速をはるかに上回る。さらに、スプリットの垂直変化量は球界トップクラスであり、打者がスイングを開始した瞬間に視界から消えるような挙動を見せる。
加えて、カットボールやスライダーといった曲がり球の精度も年々進化を遂げている。カウントを取りに行くボールと決めにいくボールの仕分けが完璧であり、配球のパターンが読み切れない。打者側からすれば、「張っていても打てない」「絞り込んでも交わされる」という二重の絶望感を味わうことになるのだ。