今回のアイス解析において浮き彫りになったのは、北澤育恵という選手が持つ異常なまでの「氷の読み」の正確さだ。一般的にスキップは相手の配置に応じたカウンター戦術を組み立てるが、北澤の真骨頂は「2手先、3手先に相手が打たざるを得ない状況」を逆算して追い詰める誘導型の戦術にある。
世界選手権での戦績を振り返っても、中部電力が見せた劇的な逆転劇の裏には、彼女の緻密なゲームプランが存在していた。序盤でリスクを抑えつつ氷の癖を把握し、後半エンドで一気に大量得点を狙う戦術パターンは、対戦相手に強い圧迫感を与える。この圧倒的な戦術眼と、プレッシャーに負けない度胸こそが、彼女を日本カーリング界のキーマンたらしめている最大の強みなのだ。