日本の法制度において、ペットは民法上「物」として扱われる。そのため、失踪時は警察庁が統括する警察署において遺失物として処理され、生体保護の観点からは自治体の管轄となる。この二重構造が、迷子捜索における致命的な情報の断絶を生む要因となってきた。
例えば、首都圏において中核を担う東京都動物愛護相談センターには、日夜多くの負傷動物や保護動物の情報が集約される。しかし、善意の第三者が保護して近隣の交番へ届け出たケースと、保健所や相談センターへ直接通報されたケースが、リアルタイムで自動同期される仕組みは未だ完全ではない。
近隣住民が保護して自宅で一時預かりをしている場合、警察にだけ拾得物として連絡が入っている事例も少なくない。飼い主側が警察への遺失物届、動物愛護相談センター、清掃局(事故死情報の確認のため)という3つの窓口へ個別に、かつ継続してアプローチをかけ続けなければ、目の前にある保護情報をすくい上げることはできない。