だが、熱狂の裏には常に深刻な歪みが伴う。大黒ふ頭は本来、京浜港の一角を担う極めて重要な国際物流の拠点だ。首都高速湾岸線と直結するこのパーキングエリアは、過酷な長距離運行をこなす大型トラックドライバーにとって、指定された休息を取るための生命線なのである。
「トラックを停める枠にカスタムカーや観光客のタクシーが何台も割り込み、休むことすらできない」——そんな悲鳴のような声が現場から上がる。神奈川県警察と首都高速道路株式会社が実施する夜間閉鎖は、決して文化の排除を目的としたものではない。耐えがたい爆音被害に苦しむ近隣住民の生活環境を守り、麻痺しかけた物流インフラを正常化するための苦渋の防衛策なのだ。