記念碑的な節目には、常に影が寄り添う。尾田栄一郎が心血を注ぎ、世界中のファンを熱狂させた『ONE PIECE 第1000話』の公開前後から、海賊版アグリゲーターによるスクレイピング行為は桁外れの激しさを増した。集英社をはじめとする出版各社が連綿と築き上げてきた少年漫画の至宝を、無断でデジタルスキャンしてばらまく手口は、もはや個人の趣味の領域を遥かに超えている。
流通の最前線を取材すると、流出元は海外のスキャンレーション組織だけでなく、印刷・流通ルートの隙間を突いた悪質なリークネットワークにまで及んでいることが判明した。「大台」を迎える人気作品の節目は、海賊版サイトにとって数千万人規模のアクセスを一気に稼ぎ出す絶好の燃料に過ぎない。彼らはファンの純粋な熱量を冷徹に換金しているのだ。