ネット上の情報やSNSでは、「京都の高山寺に行けばいつでも本物の鳥獣戯画が見られる」と誤解している人が少なくありません。しかし、現場の実態は異なります。
実物の原本は、極めて脆弱な紙本墨画であるため、東京国立博物館(甲巻・丙巻)と京都国立博物館(乙巻・丁巻)の2箇所に厳重に寄託・保管されています。世界遺産である栂尾山・高山寺(京都市右京区)の現地で展示されているのは、精巧に再現された複製(レプリカ)です。
また、原本が一般公開される特別展は数年に一度、あるいは数十年に一度のペースに限られており、国宝保存の観点から展示期間も数週間程度に制限されます。本物を鑑賞したい場合は、国立博物館の特別展スケジュールを年単位で追う必要があります。