ネット掲示板などでは「働かずに高給がもらえる最強のポジション」などと書き込まれることもありますが、当事者の精神状態を取材すると、現実は過酷なメンタルヘルスの崩壊と隣り合わせです。
人間にとって「自分が組織から全く必要とされていない」という事実を毎日8時間、何年間も突きつけられ続けることは、過重労働とは別種の強烈な心理的苦痛をもたらします。周囲の同僚たちが忙しく打ち合わせを重ね、成果を称え合う輪のすぐ隣で、自分だけが完全に無視される「存在の透明化」は、自己肯定感を徹底的に破壊します。
さらに、陰湿な社内いじめや冷遇も日常茶飯事です。会議への招集から外される、部下だった後輩からあからさまに敬語を外される、歓送迎会や雑談の輪から露骨に排除されるといった「心理的孤立」が進行します。何もしない時間の長さは焦燥感を生み、時計の針が進む遅さに耐えきれず、うつ病や適応障害を発症して休職に追い込まれるケースは後を絶ちません。「窓際族は天国」という言説は、過酷な精神的牢獄の実態を知らない部外者による幻想に過ぎません。