牛乳パック、トイレットペーパーの芯、輪ゴム、フィルムケース。番組に登場する材料は、どれも家庭のゴミ箱行きになりそうな身近な廃材ばかりだった。高価な知育玩具を買い与えるのではなく、目の前にある見慣れたガラクタが、ほんの数分で走る車や空飛ぶロケットに姿を変える。あの瞬間の息をのむような驚きこそが、何世代にもわたる日本の子どもたちに「世界は自分の手で作り変えられる」という根源的な全能感を授けた。
わくわくさん(久保田雅人氏)の手際の良さはもはや芸術の域だったが、それを単なる職人芸で終わらせなかったのが、ヒグマの男の子「ゴロリ」の存在だ。好奇心旺盛で、ちょっとお調子者で、時に失敗してわくわくさんを慌てさせる。完璧な大人が一方的に教える教育番組ではなく、等身大の友だちが横で驚き、喜び、時には不器用につまずく。その構図があったからこそ、テレビの前の幼い視聴者たちは「自分にもできるかもしれない」と確信できた。