実際の道路上では、赤の点滅信号をめぐってどのようなトラブルや誤解が起きているのでしょうか。交通取り締まりに遭ったドライバーの手記や、警察関係者への取材、地域コミュニティの声から生々しい現場の実態を検証しました。
都内のIT企業に勤務する40代男性は、深夜の住宅街で白バイに停止を求められた当時の様子を次のように振り返ります。
「深夜の幹線道路から脇道に入った交差点でした。信号が赤くピカピカ点滅していたので、ブレーキを踏んで時速10km程度まで減速し、左右のヘッドライトを確認して通過したんです。すると死角から白バイが追尾してきてサイレンを鳴らされました。警察官に『ここは赤点滅ですから、停止線で完全に車を止めなければいけません』と告げられ、頭が真っ白になりました。免許更新の講習で聞いた記憶はかすかにありましたが、黄色点滅と同じ感覚で『徐行すれば通れる』と思い込んでいたんです。7,000円の反則金と2点の減点は本当に痛い勉強代でした」
また、交通機動隊のOBは取り締まり現場の心理状況についてこう明かします。「点滅信号の取り締まりで捕まったドライバーの8割近くが、最初は『ちゃんと徐行した!』と強く反論してきます。しかし、ドライブレコーダーやこちらの定点カメラで確認すると、タイヤがまったく止まっていない。悪質な無視というよりは、『赤点滅=徐行で良い』という根本的なルールの誤解が違反を生んでいる現場を数多く見てきました」
SNSやネット掲示板上でも、「夜間点滅の交差点で減速したら、後続車から猛烈に煽られた」「赤点滅でピタッと止まったら追突されそうになった」といった悲痛な声が散見されます。ルールを正しく守るドライバーが、誤解している周囲の車から危険に晒されるという歪な構造が、今なお現場に根強く残っています。