光の存在なくして、輝の異質さを語ることはできない。
弟である源光は、怪異と人間の共存に悩み、傷つきながら泥臭く前へ進もうとする。甘ちゃんと言われようとも、目の前の魂に手を差し伸べようとする少年だ。対して兄は、その迷いを一瞥で切り捨てる。「甘いよ、光」。その言葉は優しいトーンで発せられるからこそ、余計に鋭利な刃となって突き刺さる。
兄としての愛情は本物なのだ。そこが恐ろしい。出来損ないの弟を冷遇するのではなく、名門の重圧から守るためにあえて自らが返り血を浴び続ける。自分ひとりで怪異を皆殺しにすれば、弟の手は汚れない。その歪んだ保護欲は、光の成長を促す起爆剤であると同時に、決して超えられない巨大な壁として君臨し続けている。