腕をひねると肘が痛む?上橈尺関節のズレと可動域制限を徹底解剖

腕をひねると肘が痛む?上橈尺関節のズレと可動域制限を徹底解剖

腕をひねると肘が痛む?上橈尺関節のズレと可動域制限を徹底解剖の真相について、専門知識を詳しくお届けします。

ネット上の情報やSNSの体験談において、極めて頻繁に見受けられる致命的な誤解が2点存在する。

1つ目は、「大人の肘内障」という都市伝説的な誤解だ。幼児が腕を引っ張られた直後に泣き叫び、腕をだらりと下げて動かさなくなる現象は肘内障 亜脱臼の真相として広く知られている。これは橈骨頭がまだ円錐台形に成長しておらず、輪状靭帯の幅が緩いため、すっぽりと抜け出してしまう小児特有の病態である。骨成熟を終えた成人の骨格において、軽微な引っ張りで輪状靭帯から橈骨頭が抜け出ることは解剖学的にあり得ない。成人が「肘が抜けた」と感じる違和感は、肘内障ではなく、上橈尺関節を構成する滑膜ヒダの挟み込みや微小な関節面スリップである。

2つ目は、「外側が痛む=すべてテニス肘(外側上顆炎)」という思い込みだ。外側上顆炎は手首を起こす伸筋腱の腱付着部炎であり、手首を上に反らす抵抗運動で激痛が走る。一方で上橈尺関節障害は、手首の曲げ伸ばしではなく「前腕を回旋させた瞬間」に橈骨頭深部に痛みが走る。取材した理学療法士は「テニス肘と診断されてステロイド注射や湿布を半年続けても治らなかった患者が、上橈尺関節の微小偏位を整えた途端に痛みが消失する例は日常茶飯事である」と語る。痛みの震源地を見誤った対症療法は、完治を著しく遅らせる要因となる。

森 瞳
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森 瞳

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