「ニューヨーク」という単語を聞いて、多くの日本人がイメージするのはきらびやかなタイムズスクエアやセントラルパークでしょう。しかし、それはニューヨーク州全体のほんの南東の一角に過ぎません。
客観的データを見ると、ニューヨーク州の総面積は約14万1,300平方キロメートルに達し、これは日本の北海道と九州を足し合わせた面積に匹敵します。全米50州の中では面積第27位と中規模ですが、その広大な土地の大部分は深い森、湖沼、農業地帯、そしてアディロンダック山地などの豊かな自然に覆われています。カナダとの国境に位置する有名な「ナイアガラの滝」も、実はニューヨーク州北西部のバッファロー近郊に位置しています。
人口動態に目を向けると、米国国勢調査のデータが示す通り、ニューヨーク州はかつて全米第1位の人口を誇っていました。しかし近年は南部のサンベルト地帯への人口シフトが進み、現在はカリフォルニア州、テキサス州、フロリダ州に次ぐ全米第4位(約1,950万人水準)となっています。
その約2,000万人のうち、南端の狭い地域に密集するニューヨーク市単体の人口だけで約830万人を占めています。つまり、州人口の4割以上がひとつの都市に集中している極端な構造であり、この「大自然が広がる広大な北部(アップステート)」と「過密な超大都市(ダウンステート)」のギャップこそが、州の政治や文化における根深い二面性を形作っています。