誰でも気軽に受けられるリラクゼーションとして宣伝されがちですが、身体のコンディションや基礎疾患によっては重大な健康被害を招くため、明確によもぎ蒸しをやってはいけない人が存在します。以下の条件に当てはまる場合は、自己判断での利用を即座に控えるべきです。
1. 妊娠中の女性(全期間を通じて厳禁)
「安産に効く」「冷えを解消して胎児に良い」と謳うサロンが存在しますが、よもぎ蒸しの妊娠中における危険理由は明白です。妊娠初期における母体の深部体温上昇(38.9℃以上)は、胎児の中枢神経系発達に悪影響を及ぼし、神経管閉鎖障害などの奇形発生リスクを高めることが疫学研究で実証されています。また、よもぎに含まれる精油成分「ツヨン(thujone)」には子宮収縮作用や通経作用があり、流産や切迫早産を誘発する恐れがあります。
2. 生理中の女性
よもぎ蒸しの生理中がNGの理由は、感染症の防御バリアが低下している点にあります。月経中は子宮頸管がわずかに開いており、膣内の酸性度を保つ自浄作用も弱まっています。この状態で高温多湿の蒸気を当てると、器具や蒸気水に潜む雑菌が膣から子宮腔内へと逆流し、「子宮内膜炎」や「骨盤腹膜炎」といった上行性感染症を引き起こす危険性があります。また、血行促進によって経血量が急激に増大し、貧血や血管迷走神経反射による失神を招く要因にもなります。
3. キク科植物のアレルギー保持者
見落とされがちなのが、よもぎ蒸しのキク科アレルギー症状です。よもぎ(蓬)はブタクサやカモミールと同じキク科の植物です。秋の花粉症を持つ人やキク科アレルギーの既往がある人が蒸気を直接吸入・経皮吸収すると、接触性皮膚炎による激しい痒みや紅斑だけでなく、気道浮腫による喘息発作、最悪の場合は血圧低下を伴うアナフィラキシーショックを発症する危険性があります。「天然ハーブだから安全」という盲信は極めて危険です。
4. 心血管系疾患・高血圧・飲酒直後
サウナと同様、急激な血管拡張と脱水は心臓に過度の負担をかけます。降圧剤を内服中の患者は急激な血圧低下によるふらつきや転倒を起こしやすく、アルコールが体内に残っている状態での利用は不整脈や急性アルコール中毒様症状を招くため厳禁です。