カニンヘンダックスの平均寿命は14歳〜17歳前後とされており、小型犬・超小型犬の中でも比較的長寿なグループに属します。丁寧な健康管理と適切な生活環境が整えば、18歳を超える長寿を全うする個体も珍しくありません。しかし、その長い生涯を健康に過ごすためには、特有の構造的脆弱性と向き合い続ける必要があります。
最も警戒すべき疾患は、胴長短足の体型に起因する「椎間板ヘルニア」です。背骨が長いため脊椎にかかる負担が他の犬種よりも圧倒的に大きく、重症化すると後肢の麻痺や排泄機能の喪失に直結します。2026年現在の獣医臨床データにおいても、ダックスフンド系犬種の動物病院来院理由の上位に常にヘルニアが位置しています。
また、小型化に伴う遺伝性疾患として「進行性網膜萎縮症(PRA)」や、垂れ耳による「外耳炎」、さらに顎が小さいために歯が密集して起こる「重度の歯周病」にも注意が必要です。特にPRAに関しては、DNA検査によって親犬がキャリア(保因)であるかを判定できるため、繁殖段階での予防が不可欠な領域となっています。
こうしたリスクを防ぐため、現代の飼育現場では室内環境の物理的改善が強く推奨されています。2026年最新の飼育環境において標準装備とされている対策は以下の通りです。
- 高機能防滑床の徹底:フローリングのツルツルした滑りは腰に致命的な負担をかけます。ペット専用の防滑ウレタンコーティング施工、または滑り止めクッションフロアや肉厚なタイルカーペットの全面敷設が必須です。
- 段差・階段からの完全隔離:ソファやベッドからの飛び降りはヘルニア発症の最大の引き金です。ドッグスロープの設置、もしくはペットが乗る家具自体をロータイプ(座面高20cm以下)に変更する飼育スタイルが定着しています。
- 抱っこ姿勢の統一(横抱き):脇の下に手を入れて縦に吊り上げる「縦抱き」は、背骨に過剰な圧縮力をかけます。胸とお尻を同時に支えて背骨を常に水平に保つ「水平抱っこ」を家族全員で徹底することが求められます。