消えゆく父を前に、ナルトが溢れ出る涙を拭いもせず語りかけた長台詞。あれこそが本シーンの最大のクライマックスだ。生まれてすぐに死別した母・うずまきクシナが、赤ん坊のナルトに言い残した「好き嫌いせず食べなさい」「毎日お風呂に入りなさい」「友達をつくりなさい」という細やかな言いつけ。ナルトはその一つひとつを反芻するように、自分がどれほど立派に育ったかをミナトへ報告する。
「ちゃんと言いつけ守ってるよ!飯はいっぱい食べてるし、風呂も入ってる!」――不器用ながらも一生懸命に叫ぶ息子の姿は、親の愛を知らずに育った少年が、立派な忍として、そして一人の人間として成長したことを示す最高の返答だった。ミナトは穏やかな笑みを浮かべ「全部伝えておくよ」と答え、旅立っていく。言葉の裏に隠された絆の深さが、世界中の読者の涙腺を崩壊させたのだ。