大きな夕顔(ユウガオ)の果実を収穫し、中身をくり抜いて乾燥させる工程には、何ヶ月もの時間と職人の経験が注ぎ込まれる。乾燥した外皮は木材のように堅牢でありながら、手に取ると驚くほど軽い。この独特な肉厚と質感を活かしたふくべ細工は、植物の生長がもたらす一期一会のフォルムをそのまま意匠へと転化させる点が最大の魅力だ。
従来の伝統的な和室だけでなく、コンクリート打ちっぱなしの壁面や北欧テイストの家具とも見事に調和する。あたたかみのある間接照明から放たれる陰影は、空間全体に静寂と気品をもたらし、住まい手の上質な日常を演出する。