SNSやネット掲示板を検索すると、ごく一部で「お米がパサパサしている」「まずい」といった書き込みを見かけることがあります。この噂の真相は、日本の家庭料理で良しとされる「白米の基準」と「牛丼に求められる米の基準」のギャップに起因しています。
一般家庭で高級とされる魚沼産コシヒカリなどは、強い粘りと水分量の多さ、そして濃厚な甘みが魅力です。しかし、このタイプのお米に吉野家秘伝の牛丼のタレをかけると、米粒同士がタレを吸って糊状(べちゃべちゃ)になり、牛肉の繊細な脂の風味を邪魔してしまいます。
吉野家が目指すのは、「タレが米粒の隙間をスムーズに通り抜け、丼の底まで均一に行き渡りつつ、米粒自体の輪郭がしっかり残る食感」です。パサつきと感じられる要素は、実はタレを含んだ瞬間に最高のバランスへと昇華するよう計算された絶妙な硬さ(テクスチャー)そのもの。ネット上の評判を精査しても、「つゆだくにした時の一体感は他チェーンの追随を許さない」「肉とタレと米が三位一体になっている」と高く評価する熱烈なファンが大多数を占めています。