清水尚弥の名を一躍全国区にしたのは、2010年公開のヒット映画『告白』だ。教室という閉鎖空間に漂う歪んだ闇を描いた本作で、彼は物語の不穏さを体現する重要な一手を担った。さらに、園子温監督が手掛けた2012年の衝撃作『ヒミズ』への出演も大きなターニングポイントとなる。
園子温監督ならではの極限状態を描く世界観の中で、彼が見せた泥臭くも鋭利な演技は作品の骨組みを強固に支えた。追い詰められた人間が見せる剥き出しの狂気と、ふとした瞬間に覗く切なさ。相反する感情をひとつのフレームに同居させる感性は、まさに唯一無二だ。