携帯ゲーム機の画面を動画にする試みは、かつて過酷を極めた。テレビ画面を直撮りするカメラのブレ、液晶特有のモアレ、外光の映り込み。これらを一挙に解決する画期的な技術として登場したのが「偽トロキャプチャ」だった。
ニンテンドーDSやニンテンドー3DS、さらにはPlayStation Vitaといった人気携帯機の内部には、液晶ディスプレイへと向かうデジタル映像信号の配線が走っている。改造業者は本体のシェルをこじ開け、極小のフレキシブル基板をマザーボードへ直接ハンダ付けし、独自の制御基板を増設した。外殻には無骨なUSB mini-BやType-Cの穴が開けられ、そこからPCへ生データを転送する。
当時、ニコニコ動画やYouTube、Twitchなどのプラットフォームで台頭しつつあったゲーム実況者たちにとって、この改造基板はまさに「三種の神器」となった。クリアな直接出力による対戦配信やRTA(リアルタイムアタック)動画は瞬く間に視聴者を魅了し、一つの巨大なコンテンツ文化を形成していった。