チケット購入時に多くの人が悩むのが「S席にするか、それともA席で十分か」というランク選びの壁だ。一般的にS席に割り当てられる1階中央ゾーンや2階正面中央は、舞台正面からの自然な音圧とクリアな視界が保証されている。舞台音響の綿密な計算に基づき、直接音と反射音がもっとも美しくブレンドされる位置として設計されているからだ。
これに対し、A席やB席は主に1階後方、2階・3階のサイド寄りや後方ブロックに設定されることが多い。視界においては、3階席になるとステージまでの高低差がかなり大きくなり、演奏者がやや小さく感じられる。しかし音響面では、3階正面席はホール全体に立ち昇った豊かな響きが集まるため、視界の遠さを補って余りある残響感を堪能できる。視覚的なリアリティを最優先するならS席、音の包み込まれ感をコスパ良く楽しむならA席という切り分けが極めて有効だ。