検索エンジンで「アレッポの石鹸 危険」と打ち込むユーザーの多くは、実際に使って激しい乾燥やつっぱりを感じた経験者か、購入前に安全性への不安を抱いた人たちです。しかし、調査報道の観点から結論を先にお伝えすると、アレッポ石鹸の成分に毒性があるという事実は一切ありません。
伝統製法で作られるアレッポ石鹸の全成分は、基本的にオリーブオイル、ローレル(月桂樹)オイル、水、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)のみ。合成界面活性剤、防腐剤、着色料、人工香料は一切使われていません。それにもかかわらず「危険」という過激な言葉が一人歩きする背景には、主に3つの構造的要因が存在します。
第1に、アレッポ石鹸の肌荒れの理由として最も多いのが、アルカリ性石鹸特有の洗浄力と皮脂膜への影響です。市販の弱酸性ボディソープに慣れた肌にとって、pH9〜10前後の純石鹸は皮脂を根こそぎ奪うように感じられ、激しいつっぱりや赤みを引き起こします。
第2に、天然植物油であるローレルオイルのアレルギー発症リスクです。「自然素材=アレルギーフリー」という消費者の思い込みが裏目に出て、思わぬ肌トラブルに発展するケースが散見されます。
第3に、シリア危機以降のサプライチェーン混乱に乗じた粗悪な類似品や偽物トラブルです。保管状態が悪く過酸化脂質化した古い石鹸による接触皮膚炎も、危険視される要因となっています。