しかし近年、この「強烈な表現」を巡る学校現場の対応は目まぐるしく変化している。数年前に話題となった広島市教育委員会による平和教材からの削除を皮切りに、全国の自治体で『はだしのゲン』の扱いを見直す動きが広がった。過激な暴力描写や差別用語への配慮、あるいは児童の心理的負担(メンタルヘルス)を理由に、閉架図書に指定されたり、保護者の同意を必要とする学校も現れている。
2026年の教育現場において、この変化は賛否両論を巻き起こし続けている。「小学生には刺激が強すぎて精神的ストレスになる」という配慮論がある一方で、ベテラン教員や平和運動家からは「痛みのない歴史学習など形骸化する」「現実の悲劇をオブラートに包んでどうするのか」という強い懸念が示されている。