途中で途切れた撮影を再開させるため、スタッフがとった手法は前代未聞のものだった。映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』の残りのシーンには、ポールの実弟であるカレブとコディがスタンドインとして参加。ニュージーランドのVFX制作会社Wētā FXが、彼らの顔にポールの生前の表情データを精緻にマッピングする最新のフェイシャル・リプレイスメント技術を投入した。
この過酷な現場を精神的支柱として引っ張ったのが、長年の相棒でありプロデューサーも務めるヴィン・ディーゼルだ。彼は実生活でもポールの娘の保護者的な存在として寄り添い、自身の娘に「ポーリーン」と名付けるほどポールを愛していた。劇中ラスト、分かれ道でそれぞれの車が別の空へと走り去る伝説のラストシーンは、ヴィンをはじめとするキャスト陣の真実の涙と絆が生み出した奇跡の映像である。