当時、男役といえば「タイトに固めた黒髪」と「クラシカルなメイク」が絶対のルールだった。しかし、彼女はその暗黙の了解をあっさりと無視した。茶髪のロングヘアをなびかせ、モード誌から抜け出してきたかのようなスタイリッシュな私服で楽屋入りする姿は、ファンのみならず関係者の肝を冷やしたという。
「綺麗にまとまるつもりなんて、さらさらなかった」。後年のインタビューで彼女が語った言葉通り、その反逆児ぶりは舞台上でも炸裂する。劇団側との衝突は日常茶飯事。それでも彼女が己を貫き通せたのは、圧倒的な実力と、観客を熱狂させる天性の華があったからに他ならない。