歌詞を精読すると、1980年代初頭の日本社会を覆っていた「ツッパリ文化」やヤンキーカルチャーの空気が色濃く反映されていることがわかる。革ジャン、サングラス、ポマードで固めたリーゼントヘア——これらは当時の若者にとってのアメリカーナへの憧れであり、大人や社会へのささやかな反抗のシンボルだった。
しかし、主人公は決して完成されたヒーローとして描かれない。夜の街でイキがってみせても、家へ帰れば晩飯のメニューや小遣いの少なさに頭を抱える。格好つけたい年頃の等身大の情けなさを隠さず歌詞に落とし込んだからこそ、当時のリスナーは苦笑しながらも深い共感を寄せたのだろう。