発症から30年近くが経過した2026年現在、IKKOは自らの病を「完全に治すもの」ではなく「上手に付き合っていくもの」と捉えている。この意識の転換こそが、多くの当事者を救うヒントになっている。
「完治」を目指そうとすると、少しでも予期不安(また発作が起きるのではないかという恐怖)が起きた時に「まだ治っていない」と自分を責めてしまう。そうではなく、「あ、また少し波が来ているな」と、自分の状態を客観的に受け流す。この「受け流す力」を身につけるまでに、彼女も長い年月を要した。
SNSの普及や社会のスピード化により、現代人の脳は常にオーバーヒート気味だ。2026年のストレス社会を生きる私たちにとって、彼女の「諦める(明らかに見極める)勇気」は、心の安全弁となっている。