「1秒の遅れが命取りになる」。取材に応じた現場の消防司令長は、引き締まった表情でそう語る。救急車の出動件数は過去最高水準を更新し続けており、隊員たちにかかるプレッシャーは想像を絶する。
救急要請の内容は多岐にわたる。単なる急病対応にとどまらず、高齢者の室内転倒、交通事故、熱中症、さらには高度な医療処置を要するショック状態まで様々だ。隊員は移動中の車内で心電図データを病院へ伝送し、医師の指導を受けながら特定行為を行う。極限の緊張感の中で試されるのは、日頃の過酷な訓練で培われた判断力とチームワークにほかならない。