爪の伸びるメカニズムを理解するには、爪の根元に隠された構造を知る必要があります。私たちが普段「爪」と呼んでいる硬い部分は「爪甲(そうこう)」といい、すでに角化(死滅)した細胞の集まりです。
爪甲を生み出している本体は、根元の皮膚(後爪郭)の奥深くに存在する「爪母(そうぼ)」と呼ばれる工場のような組織です。爪の根元に見える半月型の白い部分「爪半月(そうはんげつ)」は、爪母で作られたばかりの水分を多く含んだ未熟な爪が顔をのぞかせている部分にあたります。
爪母では昼夜を問わず活発な細胞分裂が行われており、新しく生成された細胞が前へ前へと押し出される過程で、水分を失いながら硬質ケラチンへと変化していきます。爪の成長スピードは、この爪母における細胞分裂のスピードと新陳代謝の活性度に直結しています。体内の代謝が活発で、爪母に十分な酸素と栄養素が届けられていれば、爪は淀みなく健やかに伸び続けます。