一般国民が海外へ渡航する際に必須となるパスポートですが、天皇皇后両陛下はパスポートをお持ちではありません。これは日本の法制度のみならず、国際慣例(国際礼節)に基づく特別な取り扱いです。
パスポートは本来、国家の元首が自国民の安全な通行を他国へ要請する文書としての性格を持ちます。そのため、「国家元首そのもの」である天皇陛下が自身に対してパスポートを発行することは論理的にあり得ないためです。出入国審査に関しても、外務省を通じて相手国へ公式な事前通知が行われるため、空港の出入国審査ゲートに並ぶような手続きは一切免除されます。
一方で、秋篠宮ご一家や他の皇族方には、海外渡航の都度、外務省から「外交旅券(公用パスポート)」が特別に発給されます。皇位にある方と皇族方とで、法的な身分関係や出入国の運用が明確に区別されている点も特徴的な事実です。