ふたりの出会いは2013年冬に遡る。きっかけとなったのは、互いに親交のあった共通の知人が催した小さな集まりだった。当時、染谷将太は20代前半の若手実力派として急速に脚光を浴びており、菊地凛子はすでに国際的なキャリアを確立させた実力派女優。接点がなさそうに見えるふたりだったが、一瞬で距離は縮まった。
初対面の際、染谷は雷に打たれたような衝撃を受けたという。後年のインタビューでも「会った瞬間に、この人と家族になるなと直感した」と明かしている。年齢差は11歳。しかし、そんな数字はふたりの芸術的感性と波長の前には何の障害にもならなかった。言葉を重ねるごとに、互いが持つ独特の世界観と映画への情熱が共鳴し合い、ごく自然な形で意気投合していった。