選挙戦において、なぜこれほどまでに組織票は威力を発揮するのでしょうか。その背景には、長年培われてきた緻密な名簿管理と徹底した動員システムが存在します。
代表的な実例として知られるのが、公明党の支持母体である創価学会の活動です。創価学会の選挙運動では、会員が友人や知人に投票を働きかける通称「F(フレンド)取り」が有名です。単に「投票してね」と頼むだけでなく、誰に声をかけ、どのような反応だったかを細かく集約し、ブロック単位で目標達成率を管理するシステムが構築されています。この徹底した連帯感と行動力が、他党が恐れる鉄板の集票力となってきました。
一方、野党系の有力な集票基盤となってきたのが労働組合の全国中央組織である連合です。傘下の産業別労働組合(自動車総連、電力総連、電機連合など)を通じて、企業内の推薦候補者を決定します。職場集会や機関紙での周知はもちろん、専従職員が中心となって組合員やその家族への浸透を図ることで、まとまった票を野党系候補に供給してきました。
さらに、自民党の伝統的な集票マシンとして機能してきたのが医師連盟、農協(JA)、建設業協会などの業界団体です。これらは政策要望の実現や業界の利益を守るパイプ役として、選挙区ごとに所属会員をフル稼働させ、後援会組織と一体になって当落を左右する票を固めていきます。