なぜ卵焼きは甘い?東西の歴史的謎と冷めてもフワフワ極上レシピ

なぜ卵焼きは甘い?東西の歴史的謎と冷めてもフワフワ極上レシピ

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卵焼きの味わいを分かつ最大の境界線は、東西の歴史にある。関東で親しまれてきた関東風厚焼き玉子は、濃口醤油と多めの砂糖でしっかりとした甘みをつけるのが特徴だ。これに対し、関西の主流である出汁巻き卵は、昆布や鰹節からとった豊かな出汁に薄口醤油や塩を合わせ、砂糖は控えめ、あるいは一切入れない。

この差異が生まれた歴史的要因は江戸時代に遡る。当時、貴重品だった砂糖は長崎の出島を経由して輸入され、参勤交代の拠点であった大都市・江戸に集積した。富を誇る江戸の町人文化のなかで、甘みは贅沢と粋の象徴として好まれたのだ。一方、天下の台所と呼ばれた大阪や公家文化が息づく京都では、素材の味を引き立てる出汁文化が極められていた。

伝統的な食文化の調査・保全を行う農林水産省の資料を見ても、地域の固有な気候や流通網が家庭の味付けに多大な影響を与えたことがうかがえる。東日本の濃口文化と西日本の出汁文化という構造が、卵料理という小さな長方形のなかで見事に表現されているのだ。

渡辺 美咲
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渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。