1962年、日本中が息を呑んだ。テレビの前に釘付けになった国民が見つめたのは、あまりにも眩しい二人だった。歌謡界のトップに君臨する歌姫と、日活アクション映画で絶大な人気を誇る「マイトガイ」の結婚。このニュースは、戦後復興を遂げつつあった日本社会にとって、まさに夢の具現化そのものだった。誰もが二人の未来を祝福し、誰もがその華やかな門出に酔いしれた。
しかし、その華やかさの裏では、すでに狂いが生じ始めていた。あまりにも巨大すぎる二人の看板は、私生活というプライベートな空間さえも容赦なく侵食していったのだ。スターであることの代償は、彼らが考えていた以上に重かった。