石原氏の表明後、東京都庁には購入を支持する声が殺到し、都は正式に「東京都尖閣諸島寄附金」の専用口座を開設しました。すると、都民だけでなく全国の一般市民や企業から寄付が相次ぎ、開設からわずか数日で数億円、最終的には約10万5000件、総額およそ14億8500万円もの浄財が集まる異例の事態へと発展しました。
寄付の内訳には、高齢者が年金から捻出した少額の振込から、数千万円単位の個人・企業寄付まで多岐にわたりました。振込用紙の通信欄には「日本の海を守ってほしい」「領土保全のために有効に使ってほしい」といった切実なメッセージが数多く添えられており、当時の領土をめぐる国民の関心と領土防衛への強い意志が浮き彫りとなりました。
東京都はこの資金を原資として地権者との売買契約を成立させ、島内に気象観測所や灯台の整備、船溜まり(避難港)の建設、環境調査などを行う青写真を描いていました。2012年9月2日には、都がチャーターした調査船によって魚釣島周辺の洋上から詳細な現地調査が実施され、上陸許可を国に申請するなど、都有化に向けた準備は着実に進められていました。