日本の食品ロス問題は深刻だ。しかし、現場のパン職人たちはただ手をこまねいているわけではない。売れ残ったバゲットを廃棄するのではなく、付加価値をつけて生まれ変わらせる試みが急速に広がっている。これが単なる「もったいない精神」にとどまらず、洗練されたブランドビジネスとして成立している点が面白い。ある都内の有名店では、売れ残ったパンのラスク化により、廃棄率をほぼゼロに抑えることに成功した。
消費者の意識も変化している。「環境に良い」という理由だけで購入する時代は終わった。今求められているのは、圧倒的な美味しさだ。サステナブルでありながら、一口食べればそのクオリティに納得する。そんな二兎を追う姿勢が、現在の市場を牽引している。