バレンティン選手の名を球史に刻み込んだ最大のハイライトは、2013年に達成したシーズン60本塁打です。この記録は、1964年に王貞治氏(巨人)が樹立し、その後タフィ・ローズ氏(2001年・近鉄)、アレックス・カブレラ氏(2002年・西武)が並んだ「シーズン55本塁打」の壁を実に49年ぶりに打ち破る快挙でした。
2013年シーズンの打撃成績は、まさに異次元と呼ぶにふさわしいものでした。
特筆すべきは、怪我による出遅れがありながらわずか130試合の出場で60本に到達した点です。打数に対する本塁打率は驚愕の「7.32打数に1本」を記録。統一球導入以降の投高打低の環境下において、長打率.779、OPS 1.234という驚異的な破壊力を見せつけ、シーズンMVPを獲得しました。9月15日の阪神タイガース戦(神宮球場)で榎田大樹投手から放った56号・57号の連発は、球界の歴史が塗り替えられた瞬間としてファンの脳裏に焼き付いています。