高校の同級生として結成され、1970年代の漫才ブームを駆け抜けたおぼん・こぼん。タップダンスを取り入れたスマートで陽気なスタイルは、瞬く間に全国のお茶の間を魅了した。しかし、光が強ければ影も深い。長年の共同作業の中で生じた些細な意見の食い違いや価値観のズレは、年月とともに修復不可能な溝へと広がっていった。
関係の冷え込みは年々深刻さを増し、いつしか舞台袖でも一言も口をきかない状態が定着した。楽屋の空気は常に張り詰めており、周囲の若手芸人やスタッフが息を潜めるほどだったという。それでも彼らは解散を選ばなかった。いや、解散できなかったのだ。互いへの個人的な愛憎を超えた場所に、「おぼん・こぼん」という屋号と漫才そのものへの執着が存在していたからである。