標準語圏で育った人が「何しとん?」と聞かれてギョッとしてしまう最大の理由は、言葉の短さと音の響きにあります。標準語で語尾が「〜とん」と短く切れる表現は少なく、文字面だけを受け取ると「何してんだよ!」と詰問されているような錯覚を起こしやすいのです。
しかし、発話者の心理状態とニュアンスの真相を読み解くカギは「語尾のイントネーション」に隠されています。
語尾が「何しとん⤴?」と上がっていれば、それは100%好意的な「いま何してるの?(ひま?)」というフランクな問いかけです。一方で、眉間にシワを寄せて語尾を「何しとん⤵」と低く落とした場合は、「一体何をやらかしているんだ」という呆れや注意のニュアンスを含みます。これは標準語の「何してるの?」でも同じことが言えますが、方言特有の語感の強さが誤解に拍車をかけていると言えます。