1.5倍速で動画を消費し、結末を先に知ってから映画を見る。そんな「タイパ」最優先の2026年に生きるZ世代やアルファ世代が、このドラマの前では静まり返る。画面を見つめるしかないからだ。手話での会話は、目を離した瞬間に意味を失う。スマホをいじりながらの「ながら見」は許されない。この強制的な没入感こそが、逆に新鮮な体験として若者を惹きつけている。
「最初はじれったかった。でも、二人が見つめ合うだけの数十秒間に、言葉以上の感情が詰まっていることに気づいて鳥肌が立った」。都内の大学に通う女性(20)はそう語る。情報過多の時代、私たちは言葉を使いすぎているのかもしれない。