かつて「おいしゅうございます」のフレーズで日本の食文化を温かく見つめた食道楽の第一人者・岸朝子。彼女が愛した「丁寧な手仕事と素材への敬意」という食の美学は、この新しくも温かい街の和食処にも脈々と受け継がれている。「割烹 辻村」では、店主が自ら仕入れる季節の野菜と旬の魚を、繊細な手仕事で目にも鮮やかな膳へと昇華させる。一切の誤魔化しがない出汁の深みは、食を愛するすべての人の心に染み渡る。
都市と自然が融合した港北ニュータウン開発事業の設計思想は、単なる住環境の整備にとどまらず、住む人の生活体験そのものを豊かに育んできた。ゆったりとした歩道や緑道が整備されたことで、散策の途中にぶらりと美味しい店へ立ち寄るライフスタイルが定着。こうした街の構造自体が、個性的で上質な飲食店を育む豊かな土壌となっているのだ。