雨宮天さんのキャリアを語る上で欠かせないのが、美少女ボイスの常識を打ち破る演技の振り幅です。
デビュー初期は、端整なルックスも相まって『アカメが斬る!』のアカメや『東京喰種』のトーカに代表される「クールで孤高な美少女」「影のあるダウナー系」の配役が中心でした。芯の通った澄んだ低音から中音域の響きは、視聴者に強いインパクトを残しました。
そのパブリックイメージを鮮やかに覆したのが『この素晴らしい世界に祝福を!』のアクア役です。酸欠になりそうな勢いで繰り出される泣き喚き芸、調子に乗ったときのウザさ、情けない命乞いなど、美少女キャラにあるまじき泥臭いギャグ演技を惜しみなく披露。音響監督や共演者からも「捨て身の芝居」「表現のリミッターが外れている」と絶賛され、コメディエンヌとしての才能を天下に知らしめました。
単にテンションが高いだけでなく、シリアスな場面では息をのむような繊細な息遣いで心情をすくい取ります。キャラクターの「人間味(あるいは神味)」を深く掘り下げて血肉化する徹底した役作りこそが、業界内外から高い信頼を得ている理由です。