絢香を苦しめたバセドウ病は、医学的には「甲状腺機能亢進症」の代表的な疾患として知られています。のどぼとけの下にある甲状腺からホルモンが過剰に分泌され、全身の代謝が異常に高まってしまう自己免疫疾患です。
主な症状には以下のようなものがあります。
- 安静時でも続く激しい動悸・頻脈・息切れ
- 異常な発汗と体温上昇(常に全力疾走しているような状態)
- 手の指先の震えや筋力の低下
- 食欲はあるのに急激に体重が減少する
- 強い倦怠感、不眠、イライラなどの精神的疲労
歌手にとって、心肺機能の酷使は避けられません。絢香はデビュー直後から、少し歌うだけで心拍数が跳ね上がり、過呼吸のような息苦しさに襲われる極限状態の中でステージに立ち続けていました。薬を服用しながら騙し騙し歌い続ける日々でしたが、数値が悪化し、一時は立ち上がることすら困難になるほどの過酷な闘病生活を強いられていたのです。