現在、全国各地で多発しているのが、営業利益が出ており顧客もついている優良企業が姿を消す「黒字廃業」です。この廃業危機の真相を探ると、高齢社長の引退遅れが企業の競争力を静かに蝕んでいる構図が浮かび上がります。
高齢のトップが長年采配を振るう現場では、DX(デジタルトランスフォーメーション)や脱炭素化といった新たな経営課題への投資判断が滞りがちです。「自分の代では現状維持で逃げ切りたい」という保守的な判断が重なると、主要取引先からの要求に応えられなくなり、徐々にサプライチェーンから外されていく事例が相次いでいます。
さらに、トップの高齢化は若手社員の離職を加速させます。「後継ぎが決まっておらず、この会社の先行きが見えない」と不安を抱いた有能な中堅・若手層から流出し、組織の空洞化が進みます。結果として、経営者が体調を崩した段階で会社を畳むしか選択肢が残らないという、極めて悔やまれる結末を迎えることになります。