ユマニチュード実践方法の大きな強みは、あらゆるケアを「5つのシークエンス(手順)」に体系化している点にあります。場当たり的な対応を排し、ケアを一連の物語として組み立てていきます。
ケアの第1ステップは「出会いの準備」です。いきなり部屋に入り込むのではなく、ドアを3回ノックし、返事を待ってからもう1回ノックし、相手の視界に入る位置へとゆっくり進みます。続いて第2ステップの「ケアの準備」において、すぐに作業に入らず3分程度の雑談を交わし、信頼関係の合意(ケアの同意)を得ます。
第3ステップの「知覚の統合」では、「見ながら、触れながら、話しかける」というように、複数の知覚情報を矛盾なく同時に届けます。これにより、認知機能が低下している方でも状況を正しく認識できるようになります。ケア終了後は第4ステップの「感情の固定」として「気持ちよかったですね、ありがとう」と肯定的な記憶を残し、最後の第5ステップ「再会の約束」で「また午後3時に来ますね」と次の安心をつなぎます。