「果物を凍らせるとビタミンや栄養素が死んでしまうのではないか」という懸念を抱く方は少なくありません。しかし、生化学および食品栄養学の観点から見ると、冷凍バナナには生食を凌駕するメリットが存在します。
日本食品保蔵科学会などの各種報告によると、バナナ冷凍栄養価において、美肌や生活習慣病予防に関わる「ポリフェノール」の抗酸化活性は、冷凍処理によって損なわれるどころか、体内での利用効率が高まることが示されています。その理由は植物の「細胞壁」にあります。
ポリフェノールや一部のミネラル成分は、植物の強固な細胞壁の内側に閉じ込められています。生で咀嚼するだけでは細胞壁を完全に壊しきれず、栄養素の一部は吸収されないまま体外へ排出されてしまいます。しかし、一度凍結させて氷の結晶が細胞壁を押し広げて破壊することにより、解凍・咀嚼時に抗酸化成分がスムーズに溶出。結果として、生のバナナよりも高い抗酸化力を効率よく享受できるのです。
さらに、むくみ解消に欠かせないカリウムや、腸内環境を整える水溶性・不溶性の食物繊維は、マイナス温度下でも構造が極めて安定しています。ビタミンB群やビタミンCも、冷凍による損失率は調理加熱に比べてごくわずかに留まります。「栄養を損なわずに甘みを凝縮させる」という観点において、冷凍は極めて理にかなった選択肢と言えます。