他者を冷笑し続ける生活を長年続けた先に待っている冷笑主義の末路は、想像以上に過酷です。最大の悲劇は、他人の情熱を否定し続けた結果、自分自身の「何かを好きになる感情」や「夢中になる能力」まで完全に麻痺してしまう点にあります。
30代、40代と年齢を重ねるにつれ、失敗を恐れて何も積み上げてこなかった批評家には、語るべき実績も本物のスキルも残りません。気がつけば、かつて小馬鹿にしていた「泥臭く挑戦し続けた同世代」が遥か先を進んでおり、追いつけない現実を前にして深刻な無気力感と虚無感に襲われます。
さらに、損得や皮肉でしか人と繋がってこなかったため、人生の困難に直面した際に手を差し伸べてくれる友人が誰一人いないという深い孤独に直面します。誰かを嘲笑して得ていた安っぽい快楽の代償は、自分自身の人生の空洞化という形で返ってきます。