「びわの種をすり潰して食べると末期がんが消える」といった極端な言説は、昭和後期から平成にかけての自然療法ブームや書籍、ネット掲示板を通じて急激に広まりました。伝統的な東洋医学において、びわの葉を用いた温熱療法などが親しまれてきた歴史的背景も、種子に対する過剰な期待を後押しした要因の一つです。
しかし、びわの種の抗がん作用は科学的に否定された嘘であるというのが、国内外の腫瘍内科学会および公的機関の一致した結論です。米国国立がん研究所(NCI)などが実施した臨床試験においても、有効な治療効果は一切認められず、むしろ被験者に重篤な青酸中毒症状が現れたことで試験自体が打ち切られた経緯があります。
びわの種と癌に関する現在の医学的見解は極めて明快であり、いかなるステージのがんであっても、種子の摂取を推奨するエビデンスは存在しません。有効な標準治療を遅らせ、命を危機に晒すリスク要因として医療関係者は強い危機感を示しています。