作中で圧倒的な存在感を放つのが、主人公が父親から借り受けた愛器「ギブソン・レスポール・カスタム」だ。重厚なブラックのボディにゴールドパーツが輝くこの名機は、決して初心者向けとは言えない重量感と癖を持つ。しかし、この重く扱いにくいギターを鳴らし切ること自体が、彼女が積み重ねた愚直な練習量を何よりも雄弁に物語っている。
アニメーションスタッフは、弦の振動から指のポジション、ピックが弦を弾く角度に至るまで極限の精度で描き出した。ヴィンテージギター特有の太く艶やかなトーンが作中のライブ演出と重なるとき、視聴者はアニメのキャラクターではなく、実在する一人のギタリストのパッションを目撃することになる。