本作の最大の謎であり、観客を惹きつけて離さない核心要素が、劇中に登場する異能力「手力」の存在である。単に物体を動かすようなありふれた超能力ではない。触れた者の記憶を書き換え、あるいは対象の感情や生命力そのものを物理的に奪い去るという、極めて暴力的で神秘的な力が画面上で描かれる。
リークされた内部資料によると、「手力」の発現には過酷な精神的代償が伴うという。力を行使するたびに主人公の肉体と精神が苛まれていくプロセスは、観客の心に強烈な毒のように染み込んでいく。この「手力」の真の能力が明かされるクライマックスは、近年の映画史に残るカタルシスをもたらすに違いない。