事態の背景にあるのは、激化の一途を辿る米中半導体摩擦だ。バイデン政権が推し進めてきた巨額補助金政策、すなわちCHIPSおよび科学法は、米国内への製造拠点回帰を強力に後押ししてきた。しかし、原材料供給という「川上」を握る中国側の反撃に対し、米国の産業政策は大きな壁に突き当たっている。
米商務長官のジーナ・レモンド氏は、同盟国との連携による資源の分散調達を呼びかけるが、精錬プラントの建設には数年単位の年月と莫大な投資を要する。資源のボトルネックを握られた格好の西側陣営にとって、法案が掲げた「安定的な国内エコシステムの確立」は、当初の想定よりも遥かに困難な道のりとなっている。